HOME
│
駅舎
│
完乗
│
国鉄風
│
駅空
│
鉄旅景
│
雑記帳
│
他線区
駅と駅舎を巡る鉄道の旅
トップページ
>
駅舎
>
美作滝尾駅
美作滝尾駅
みまさかたきお
路線名
JR西日本 因美線
所在地
岡山県津山市
開業日
1928(昭和3)年3月15日
訪問日:2005/01/02
これはもう、日本でも屈指の味わい深い木造駅舎といっていいだろう。扉も窓枠も、ほぼ完璧な木造である(向かって右側妻面の窓だけサッシになっていた)。決して映画用につくられたセットではない。現役の建物なのである。
その雰囲気を買われ、この駅で映画「男はつらいよ」のロケが行われた。最終作となった「寅次郎紅の花」最初のシーンである。山田洋次監督は、「ロケに使える風景がだんだん減ってきて困っている」といつかテレビで話していたが、この駅は寅さんの世界を体現できる稀有な存在なのだ。
今にも切符が出てきそうな出札口と、チッキ(手荷物)窓口。思わずため息が出てしまうほどの骨董品だ。もちろん現在は無人駅で、乗車券は「駅前農協にてお求め下さい」と張り紙にある。待合室の壁には、映画ロケ時の写真が数枚かけてあった。
事務室で駅員(委託?)が新聞を広げ、寅次郎の尋ね人広告を読んでいる。すると駅に寅次郎とポンシュウがやってくる(もちろん駅員は尋ね人広告の張本人と知る由もない)。寅次郎が窓口のガラスをコツコツ、とたたき、勝山までの切符を2枚所望する。ホームに出た寅次郎は、指でくるくると円を描きながらトンボを捕まえようとしている…
…そんなシーンに登場した机や椅子などが、室内にそのまま残されていた。せっかくだから、これらを撮影時の状態に再現してはどうだろう。
ラッチも木、扉も木。どこまでも木のぬくもりがあたたかい。
おそらく80年近く経過した建物だから傷みが目立つのはいた仕方ないところだが、比較的きれいに保たれている。映画にも登場した駅だから、地元の人にとっても誇り高い駅舎だろう。
しかし、油断はならない。「老朽化」を大義名分に、いつ改築の計画が持ち上がるかわからないから、早目に保存の方策を考えておいたほうがよいと思うのだが。
因美線そのものも他のローカル線同様の問題を抱えている。線路、列車、駅舎。この風景がいつまでも見られるように祈るばかりである。
↑一番上にもどる